Life+(ライフプラス) コラム~マイ ライフ スタイル~

「NBCラジオ・午後ですよ」(月~金午後12時~午後4時)で毎月第2月曜日の午後2時からお送りしている「Life+(ライフプラス) コラム~マイ ライフ プラス~」というコーナーで、コラムニスト、バリアフリーアドバイザーとしてAmiの代表が長崎の街が少しでも人にやさしくなってほしい、そんな街になればいいなという思いで、お話しているコーナーのです。  このページでは「マイ ライフ スタイル」を文章のコラムとして、改めてご紹介していきたいと思います。そして、音声ではポットキャストでもお聴きになれますので、NBCラジオのホームページよりお聴きください。

vol9 「ながよ de 冬の手作りマーケットについて」

今回は先日開催した「ながよ de 冬の手作りマーケット」についてのご報告をさせていただきました。今回で3回目となる“バリアフリー推進チャリティーイベント”ですが、毎年Amiが結成された12月に開催しています。これまではコンサートと言う形式でしたが、今年は今流行の「手作り雑貨」のお店が17店集合したイベントとなりました。

 

このイベントはAmi結成1年が経った時「何か残る事をしたいね。」という事がきっかけで、動き始めました。これまで、私はたくさんの方に支えられて生きてきました。それに対して「ありがとうの気持ちを何か形で表したい」と思い企画したのが始まりでした。

 

Amiが企画するイベントは「誰もが参加できて、楽しい時間を過して、それがチャリティーに繋がる。誰かの役に立つ。」そんな事が出来たら、どんなにステキだろう!と言う事を軸に開催しています。これからも、いろいろなカタチでチャリティーイベントを開催できればと思っています。

vol8 「飲食店のバリアフリーについて」

今回は、飲食店でのバリアフリーについてお話させていただきました。最近では、よくインターネットで「バリアフリーのレストラン」と検索すると、いろいろなお店が紹介されるようになってきました。ですが、その殆どが「本当にバリアフリー?」と感じるお店もあります。私達は「優先駐車場・スロープ(フラットなフロア)・身障者優先トイレ」この3点が揃ってこそ基本的なバリアフリーだと考えています。しかし、「バリアフリー」と言われているお店の殆どが、この3点が入っていないと言う現状があります。

 

実際に、とある「バリアフリー」と言われている飲食店に行った時、入り口やテーブル背には問題はありませんでしたが、肝心のトイレに行く時、その前に何段かの階段があったのです。これで、バリアフリーなお店と紹介するのは如何なものだろうか?と何度も感じたことがありました。他にも、長崎ではファストフードと言われるお店には「優先トイレ」が殆どありません。この様な「バリアフリーではないがバリアフリーと言われている店舗」が多くあります。

 

逆にバリアフリー化されている店舗はどうかというと、率先して「お手伝いが必要な場合はお声をかけて下さい」と言う言葉をかけてもらえたり、ベビーカーや車椅子の誘導を手伝ってくれたりと、スタッフの意識が高く、行き届いた心遣いを感じることができ「また行きたい!」という気持ちになったりします。 飲食店というのは、年齢性別に問わずにたくさんの人が利用する場所なので、誰もがゆっくりと楽しい時間を過す事ができる店舗が、1つでも増えていって欲しいと思っています。

vol7 「バリアフリースポーツについて」

Amiブログでも紹介させて頂きましたが、今回の~ライフ+~では、先日開催された「ふうせんバレーボール 長崎大会」についてお話させていただきました。ふうせんバレーは、九州在住の重度障害者の「重い障害がある人でも出来る一緒に出来るスポーツがあったらいいな。」と言う意見を基に作られた、九州発のスポーツです。

ルールはバトミントンコートを使用し、ボールは鈴が入った40センチのふうせんを使います。健常者と障害者で組む6人編成のチームで戦います。健常者と障害者が同じチームで戦うことで、自然に協力する事になっていきます。

 

この長崎大会は今年で20回目を迎えるほど、長く続いているスポーツです。ふうせんと言うと聞くと、柔らかなイメージを持つ方が多いと思いますが、ふうせんバレーのふうせんは、アタックすれば予測できない方向へ飛んで行ったりするので、難しいスポーツでもあります。その試合を、チーム全体で声を出し合い、協力し合いながらゲームを進めていきます。今回の大会は長崎以外にも、北九州、熊本、大分、鹿児島、遠いところでは大阪からの参加もあり、総勢300人以上が参加した大きな大会でした。

普段は長崎市茂里町のハートセンターで練習されていますので、興味がある方は是非、体験されてみてください。

vol6 「情報取得のバリアフリー化」

先月の「マイライフスタイル」は、特別編ということで「いじめ」についてお話しましたので、このHPでの掲載はお休みさせていただきました。

 

さて、今月は「情報取得のバリアフリー化」についてお話させていただきました。

今年の8月1日から、長与町では防災無線を含む、町内放送のメール配信がスタートしました。このサービスは、以前から既に行っている自治体もありますので、興味がある方がいらしましたら、まずお住まいの自治体へお問い合わせしてみてください。

 

どこの自治体にでもある町内放送ですが、これまでは風の向きや周りの音、雨が酷い時など、耳が不自由でなくても聞き取りづらいことが多くありしました。実際に聴覚に障害がある方には内容が聞こえず、際がいじまどのっ緊急時に情報が得られない為、被害にあってしまうという危険性がありました。 今回、始まったサービスは「QRコード」を通じて簡単に登録ができ、町内放送が流れると自動的に登録されたメールアドレスに放送内容が配信されるシステムになっています。

 

「QRコード」で登録を行うので、例えば両親と離れて暮らす家族が登録をしていると、両親が住む自治体の情報を取得することが出来るのです。 このシステムにより「自分の身は自分で守る」事もできるようになります。情報と言うものは障害の有無に関わらず、平等に得られなくてはいけないのです。このシステムのスタートにより「情報を得ることについてのバリア」が減り、「情報取得のバリアフリー」が進んだといえると思います。

vol4 「多目的(身障者優先)トイレについて」

今回のテーマは「多目的トイレ」を取り上げてみたいと思います。

近年では、商業施設や公衆トイレなどにも多目的トイレが設置されていますが、今のようにバリアフリーが浸透していなかった20~30年前は、洋式トイレの設置すらなされていない場所が多くありました。 私の両親は子供の頃から「トイレさえあればどこでも行けるから。」と外出する際は、毎回「洋式(多目的)トイレの有無」を確認していました。 そのような経験で、今も私の中で「トイレ」がバリアフリーを推進するにあたり大切な事と考えていることもあり、今回のテーマとさせていただきました。

写真(左)のトイレは、Amiの活動で自治体へ提出した要望書の中の「新たな多目的トイレの設置」という項目が受け入れられ、設置されたトイレです。

 

左の写真でも見られるように「多目的トイレ」は、入口が80cm以上で、車椅子が360度回転できる様に、150cm×150cm以上の広さを必要とするトイレです。中には手すりなども設置されていますが、最近では、ウォシュレットやオストメイトが設置されている多目的トイレも増えてきています。 もちろん、赤ちゃんのオムツ替えがで出来るベビーベットも、多目的トイレには設置されています。


しかし、多目的トイレにあたってはスペースの問題などで、店舗などに多目的(身障者優先)駐車場はあっても、店内にトイレが設置されていなかったり、駅などでは防犯の為、施錠されている場合があり、実際に利用したい時に使えないという、矛盾したバリアフリーが広がっているという現状もあります。 県外に目を向けると、ある地域のコンビニではトイレ自体が多目的トイレになっている地域があります。すべての場所で、このように出来る訳ではないと思いますが、安全面が整っている場所では「誰もが使える多目的トイレ」の設置があっても良いのではないかと思うのです。

 

その逆に、多目的トイレが設置してあるレストランなどでは、スタッフの意識が高く「手伝いましょうか?」や「何か困ったことがあったら言ってください」など、率先して声をかけてくれる事が多く「また利用したい!」と言う気持ちになります。

 

小さな子供連れの家族が外出、外食する際、トイレの設備が整っていれば、ゆっくりとした時間を過ごせるのではないかと思います。誰もが、平等に外出し楽しい時間を過ごせるように、その方法の1つとして、この観光地長崎に、1つでも多くの多目的トイレの設置をお願いしたいと思います。

vol3 「コミュニケーション支援ボードについて」

皆さんは「コミュニケーション支援ボード」というものをご存知ですか?

「コミュニケーション支援ボード」というのは、障がいのある方や外国人など、話し言葉によるコミュニケーションが困難な方に対して、分かりやすいイラストを指で指しながら意思を伝えることができるツールです。

写真(右)は、今年のGWに障がいを持った方が、実際に海外旅行で使われた、コミュニケーション支援ボードです。

コミュニケーション支援ボードに使われているマークは100種類ほどあり、国際的に決められているマークで、ボード自体にも国際的な取り決めがあるそうです。

 

このコミュニケーション支援ボードは、障がいを持った方だけと意思の伝達をするのではなく、外国の方とも意思の疎通ができます。

 その例として、長崎の繁華街の交番には警察官と外国の方が、円滑に意思疎通ができるように、このコミュニケーション支援ボードが置いてあります。これこそ、バリアフリーですよね?

 

お隣の佐賀県のファミリーマー全店には、すでにコミュニケーションボードが設置されているそうで、今回コミュニケーション支援ボードについて教えてくださった、『ハンディキャップサポートセンター』の松島さんは「コミュニケーションボードは、社会的になってきている。社会自体がコミュニケーション支援ボートを受け入れてきている」とお話くださいました。

 

これから先、この観光地長崎でも1つでも多くの場所で「コミュケーション支援ボード」が見られ、使われる地域になる事を期待したいと思います。

vol2 「多目的駐車場(障がい者優先駐車場)について」

皆さんは最近、このカードをに目にすることがありませんか?これは障がいを持った方や高齢者、妊産婦さんが「障がい者優先駐車場」を利用する時、ミラーなどにかけて使う利用証です。

 

このパーキングパーミットは佐賀県が発祥です。全国では15県、九州では佐賀、熊本、鹿児島、長崎の4つの県が導入しているしています。

この利用証はオレンジとグリーン(写真参考)の2種類があり、オレンジは一時的に優先駐車場を使わなけれいけなくなった方(ケガによる一時的歩行困難・妊娠7ヶ月~産後3ヶ月)が利用でき、グリーンは高齢者や障がい者、難病患者が対象となります。

 

そもそも優先駐車場に、このような利用書の導入をしなければいけなくなったかというと「健常者の不正な駐車」が目立つようになったからです。

パーキングパーミット(実物)
パーキングパーミット(実物)

最近ではコンビニエンスストアでも、優先駐車場を導入しているお店も増えてきましたが、その場でよく見かけるのが、会社名が書いたトラックが駐車していることです。そして、店内から出てきても車に乗り込み、その場を動かずに食事をしている光景。これは、本当に如何なものかと思っていまします。

 他にも数年に一度、住民の手に寄って選ばれて「その職」についた健常方が駐車しているのを見かけたことがあります。一般の方もそうですが「ちょっとの時間だから」という気持ちなのかもしれませんが、利用する側は「その場所しか」駐車する事が出来ない事を理解して頂きたいと思います。

 

そして、もう1つよく見る光景。それは、商業施設などで優先駐車場にカラーコーンが立っていると事。

商業施設側としては、必要な人意外が駐車しないようにとの配慮だと思いますが、これも利用する側からすると逆に、駐車しにくいのです。何故かというと、車椅子利用者がその場に駐車したい時、からーコーンがあると、車から車椅子を下ろし、車椅子に乗ってコーンを動かしに行き、また車に乗って車椅子を車に仕舞い、車を駐車しなければいけないのです。

一度、この状況を問い合わせた事があります。その時の返答は「同乗者の方が動かしてください」でした。それも、おかしな事です。障がいを持っていても1人で行動される方はたくさんいらっしゃいます。

障がい者はいつでも、誰にでも介助者がいるわけではありません。

 

私は、その様な場所は本当に必要な人が利用しやすくないと意味がないと考えています。

これから先、こういった場所の利用については、利用する立場がもっと声をあげ、話し合っていかなければいけないと感じています。

Vol1 「障がい者(児)の入園・入学について」

今月から月に1度、NBCラジオ「午後ですよ」で放送されているコーナー「マイ ライフ スタイル」と連携して、コラムコーナーをスタートさせることになりました。拙い文章ですが、よろしくお願いします。

 

第1回目のテーマは「障がい者(児)の入園入学について」です。   

 

まず、全国に公立の小学校・中学校は何校あると思いますか?平成22年7月1日現在の状況ですが、小学校は21361校、中学校は9931校あるそうです。

その中で、何らかのバリアフリー対応をしている学校はどれくらいあると思いますか?

調べてみたところ、小学校では17824校、中学校では8279校が対応しているそうです。かなり率は高いですよね?

 

さて、長崎ではどうなのででしょうか?

県の福祉課の方に伺ったところ、県内には383の小学校と193の中学校の公立校があるということで、その中で全国同様に何らかのバリアフリー対応をしているのは小学校で288校、中学校で147校という状況だということです。

 

では、具体的にどういったバリアフリー対応をしているかというと「何らかのバリアフリー対応をしている」と答えた学校の約半数が「多目的トイレを設置している。」という回答でした。

そして、少数ではありますが、エレベーターの設置がしてある学校もありました。

私も学生時代は地元の学校に通いましたが、小学校に入学した20数年前は、バリアフリーがあまり浸透しておらず、父が学校にお願いし玄関にスロープを作ってくれました。(右写真)

 

このスロープが私が初めて「バリアフリー」を知った場所です。このスロープ設置の後、学年が上がった際には学校の方から階段に手すりなども付けていただきました。


近年では耐震強化の為、建て替えが行われている学校が数多くあります。

その中で現在、来年度の開講へ向け、建て替え工事が行われている学校について、自治体の教育委員会に新校舎のバリアフリー対応についてお話を伺いました。

 

新校舎は4階建てでエレベーターが設置されており、多目的トイレも各杭に設置される予定となっているそうです。他にも、教室と廊下の間にあるような敷居をなくし、全面的に段差がない作りとなるそうです。外の通路も滑りにくい素材を利用し、駐車場には優先駐車場とスロープも設置されるそうです。

 

このような作りにするのは子供たちの事を考えている事は勿論ですが、障がいを持った保護者にも優しい学校ではないかと思います。そして、障がいを持った子供達が、地域の学校で地域の子供たちと共に学べる場所になる事が「将来のバリアフリーな社会をつくる」きっかけとなるのではないかと思います。

こういった学校が、今後1つでも増えていく事を切に願っています。